理事長挨拶

理事長挨拶

越原 もゆる
学校法人 越原学園 理事長

「社会の発展に貢献できる女性を育てるために」

「親切」の目的は、永く続く文化を後世に残すこと

 本学園は、大正4(1915)年の創立以来、多くの方々のご支援の下に100年の歴史を積み重ねて参りました。創立当時と今では隔世の感がありますが、学園訓の「親切」とその精神は、創立当時から変わることなく今に受け継がれています。

 今日、私たち人類にとっての最大の課題は、私たちの日々の学問、教育、研究というものが、或いはまた、それらの成果として現れてくるさまざまな物質や事柄が、すべて本当に人類の文化を前進させることに役立っているのかどうかを見極めることにあると言えます。さらに私たちを取り巻く環境の問題一つをとってみても、文化を前進させる科学と、後退させる科学を正確に見極める必要があるのではないでしょうか。

 そうした課題の解決も含め、本学園の信条である「親切」の究極の目的は、永く続く文化を後世に残すことにあります。そのためにも本学園の一人ひとりが、本当の「親切」の心を持ち、行動をとっているのかを今一度見直し、一人ひとりがその「親切」の実践者たるべく努力をしていく必要があると考えております。

真の男女平等と望ましい人間社会のあり方を追究

 本学園の創立者、越原春子は、我が国初の女性衆議院議員でありましたが、その春子が国会で主張したのは、一つには私学の振興についてであり、二つには、女性の基本的権利、男女平等についてでありました。今日、法律的には、男女平等はほぼ実現しているとも言えますが、しかしながら実社会においては、なお幾多の課題が残されており、真の男女平等実現への努力が必要であると思われます。

 それらのことを踏まえて、女子の教育の場である本学園では、未来に向かっての新しい価値観を打ち立て、男女平等の実質的なあり方と、さらに望ましい人間社会のあり方を深く追究していくとともに、社会の発展に貢献できる、自立した女性の育成に尽力して参りたいと思っております。